渡邉 朋也 | Tomoya Watanabe |

 

《Work(ars) / 作品(ars)》
《Self Portrait / 自画像》

渡邉朋也の《作品(ars)》および《自画像》は、ホームセンターで購入したラワン合板の木目を、画像認識、視認などを介し、木目の中に自身の顔や文字を見つけ出していくというシリーズ作品です。渡邉は、人工知能の生成にも使われているディープラーニングの手法を用い物体検知・画像認識を行った後、渡邉本人の肉眼により視認していく過程の中で作者自らが人工知能の認識を内面化していく経過そのものを提示しています。

「ars(アルス)」は、ラテン語で「芸術」を指す単語であり、英語で芸術を指す「art」の語源となった単語でもある。この「ars」は他にも、「科学」「技術」「学問」「才能」「(自然の)配置」といった意味も持っている。
自宅の近くにダイキというホームセンターがある。そこで作品制作のために木材をいくつか購入したところ、それらの木目にアルファベットの「a」「r」「s」の3文字が共通して潜んでいることに気付いた。
やはりホームセンターで木材を購入したところ、今度は自分とよく似た、糸目の間の顔の像が潜んでいることに気付いた。
(渡邉)

《Let’s repair a dissipated dining table as much as possible/ 荒んだ食卓を極力直そう》

渡邉朋也の《荒んだ食卓を極力直そう》は2015年より始められたシリーズ作品です。片方だけ無くしてしまった割り箸の3Dモデルを、残されたもう一方の形状データから推論的に生成し、3Dプリンタを用いて再生するこのシリーズは「世界の秩序を取り戻す」(渡邉)ことを目的として制作されています。本展では、おにぎりのビニール包装など日常的なゴミと共にコンビニ袋の中に入れられた状態で展示されています。

 

 


 

 

コンピュータやインターネットといったメディアテクノロジーをベースに、インスタレーション、映像作品、ダジャレ、エッセイなどを制作する。近年の主な展覧会に、「見えないものとの対話」(福岡/2015)、「マテリアライジング展Ⅲ」(京都/2015)、「Affekte」(エアランゲン,ドイツ/2015)、「光るグラフィック展」(東京/2014)などがある。

 

http://www.watanabetomoya.com