黒木 萬代 | Mayo Kuroki |

 

《her murmuring is always diaphanous / 彼女のつぶやきはいつも透明》

黒木萬代の《彼女のつぶやきはいつも透明》は7篇からなる詩とその朗読です。それぞれの詩は独立しつつも、視覚芸術の限界性へと挑戦するかのように、フィットネスという言葉の範疇を切り分けていき、ループされる7篇の詩が声色や連関のもと反復的に聞き届けられた時、ある理解が生まれる構成となっています。全ての詩篇は作者によって読み上げられますが、そこで描かれたあらゆる人称は哲学や文学や精神分析などの下敷きを持つ無数の泡のように浮かんでは消えてる「誰か」への成り変わりです。 本作は、黒木が成り変わりを徹底した「ある少年のノート」(2015)、対談によって論を深めた「可愛さについて」(2016)の続編と言えるでしょう。詩篇は受付に申しつけて頂ければお渡しすることができます(数量限定です)。

 

 


 

 

2016年に鹿児島大学大学院人文社会科学研究科博士前期課程を修了。専門は哲学。フランス現代哲学を中心にした研究活動を行っている。そのほか、エウレカプロジェクト発刊『E!』へ、「創造ということばひとつから Eメールによる往復書簡 上浦基×黒木萬代」(2014) [pdf] 、「ある少年のノート」(2015) [pdf] 、「「可愛いさ」について 黒木萬代×近藤和敬」(2016) [pdf] を寄稿している。