盛 圭太 | Keita Mori |

 

《Bug report》

盛圭太の《Bug report》は、ケント紙に直接糸をグルーガンで留めてき、その線分を重ねていくことによって像を作り上げる平面作品です。盛は糸を使った自身の制作行為について「”糸”でなんか、どうしても幾何学で建築的、また情報的なイメージができる」と述べます。下書きや設計図など予め決められた全体像を持たずに、局所的に行われる至極単純な行為を反復していくことによって、作業平面上で立ち現れる連続性や分断の中で、逐次的に像が更新されていくそのダイナミズムが描かれています。

糸は点々と、いくつかの支点のみ留め付けられており、直線や撓みが連続しています。糸の直線は、物質感の忘却、すなわち情報的に幾何学的でグリッドに則った設計図を彷彿とさせ、その反面、糸の撓みは支持体と糸の剥離一寸たる物質性を現前させます。ヨーロッパのコンテンポラリードローイングの文脈で活動する盛は、今作を「フィットネスのための設計図」と定義付け、自作における所作と「フィットネス .」の接合点を「上記の説明における”なんか”の部分」であるとし、「近代以降のアートにおける明白な様相、”適当”さを扱い、可視化するという意味で、日本の美学構造にある”野暮”にもつながりそうだ」と述べています。

 

 


 

 

2011年にパリ第Ⅷ大学大学院美術研究科先端芸術を修了(ニューメディア)以来、パリを拠点としてコンテンポラリードローイングの第一線で活躍している。2012年には「FID:国際コンテンポラリードローイングコンペティション」でグランプリ、2015年には「PRIX Découverte – Palais de Tokyo」にノミネートされた。近年の展覧会は、「METHACITY, with Itvan Kevadian」(パリ, フランス/2015)、「Walk The Line」(ウォルフスブルグ, ドイツ/2015)、「DRAWING NOW PARIS – Galerie Catherine Putman」(パリ, フランス/2016)など。

 

http://keitamori.com